楽天の経営戦略

 

楽天のビジネスモデル分類

ポーターの3つの基本戦略
・集中戦略

 

アンゾフの成長マトリックス
・製品開発戦略

 

デルタモデル
・カスタマー・ソリューション
・システム・ロックイン

楽天のビジネスモデル分析

@集中戦略、カスタマー・ソリューション
楽天市場と言えば、誰もが知っているECサイトです。ただ、実は楽天がECサイトを開設した当時、すでにネットには何社も似たようなサイトが乱立していました。

 

そこで楽天は、@細かな料金設定Aコンサルタントによるサポート、により他社と差別化をし、商品販売の担い手となる事業者数を急増させました。

 

まず、細かな料金体制です。当時は、競合他社は売上に応じた課金をしていましたが、楽天は定額制として販売事業者が参入しやすい環境を整えました。その後、利用者が増えるにつれて、課金制へと移行しますが、ここでも細かな料金設定で事業者の売上に応じてプランを選べるようにしました。

 

これにより、売上が大きくなく他社のサイトでは扱っていないニッチな商品も楽天市場で取り扱えることができ、商品群が増えていきました。

 

次に、コンサルタントによるサポートでは、楽天市場に出店するまでと出店後を分けて2名のコンサルタントでサポートします。出店前のサイト構築などのITサポートと出店後のマーケティングサポートでそれぞれのスペシャリストが対応します。

 

これにより、楽天市場内にある店舗の1つ1つの品質が向上していきます。

 

これはユーザー視点で見れば、品質の良い事業者が集まって幅広い商品を取り扱っているECサイトとなり、楽天市場急拡大の原動力となりました。

 

このように、楽天から見た場合のカスタマーとなる販売事業者の顧客満足度の向上させながら、それを購入者側の満足度向上にも繋げる戦略で他社と差別化に成功しました。

 

A製品開発戦略、システム・ロックイン
楽天市場という基盤を作った楽天の次の一手は、ユーザー1人に与える付加価値を向上させることでした。

 

具体的には、食品や服、雑貨を扱う楽天市場だけでなく、旅行事業や証券事業、クレジットカード事業などに拡大していくことで楽天が提供するサービス圏である「楽天経済圏」の中にユーザーを囲い込むという戦略です。

 

この様々サービスは、M&Aを駆使して事業買収することでスピード感を持って実現させ、それぞれのサービス利用に対して、楽天スーパーポイントという自社サービスなら現金と同等に使えるポイントを付与することで、それぞれのサービス間を繋ぎ、ユーザーに価値を提供しました。

 

また、楽天クレジットカードの引き落とし口座を楽天銀行にすると預金金利が優遇されるなど、ポイント以外でもユーザーに価値を提供しており、楽天サービスを使えば使うほど、ユーザーは価値を享受でき、楽天も自社サービスにユーザーを囲い込めるというWIN-WINのシステムを構築していきました。

 

これは楽天経済圏と呼ばれ、まさに顧客を囲い込むシステム・ロックインを作り上げた事例と言えます。

 

年々、その規模は拡大していき現在では、食品、本、雑貨、服、旅行、保険、証券、銀行、通信、などほとんどの経済活動が楽天で完結できるまでになっています。

 

やっていることは製品開発戦略ですが、システム・ロックインを構築したシステムに新製品を投入しているという点で、他のビジネスモデルとは異なります。

総評

楽天の三木谷社長は、会社設立後の楽天市場ができて間もない頃のインタビューで、現状に近い将来像を語っています。

 

実際に、楽天の変遷を見ると、無駄がなく現在のビジネスモデルを作り上げており、その裏には綿密な経営戦略があったことを感じます。

 

楽天の経営戦略において、最もユニークな点はシステム・ロックインを構築した上でそれを武器に、ゴルフや証券、旅行などの新たな市場へと拡大してユーザーを増やしていくという戦略だと考えます。

 

楽天市場と縁のないユーザーでも、ゴルフはする、株取引はする、旅行はする、様々な切り口から楽天経済圏へと引き込んで、最終的には楽天市場やクレジットカードなど他のサービスも使ってもらう。

 

他には無いビジネスモデルでありながら、この経済圏構築には莫大な投資と時間が必要な点で高い参入障壁があることが、楽天の競争力となっています。

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