ソニーの経営戦略

 

ソニーの経営戦略失敗の理由

80年代、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われ、世界一の経済大国へと上り詰めつつあった日本を主導した企業がソニーでした。

 

圧倒的な技術力と発想力でマーケットに衝撃を与え続けたソニーは、21世紀の世界的企業アップルと重ねられることもあります。

 

そんなソニーでしたが、20世紀末から業績が急降下してしまいます。当時、間違いなく世界最高の技術と知恵が結集していたソニーが凋落した原因を考察します。

 

ソニーの失敗した理由
・コアコンピタンスの欠如した製品開発戦略
・縦割りの事業部制
・シナジーの無い多角化戦略

ソニーの経営戦略分析

@コアコンピタンスの欠如した製品開発戦略
バブル崩壊を経て株式市場に変革が起きた20世紀末、株主の監視が厳しくなった時代にソニーの業績が苦しくなると経営陣の風当たりは強くなりました。

 

これに対して、ソニーは本来の強みであった発想力や技術力よりも、短期的な収益優先の展開をしていきました。

 

経営戦略を立案する上で収益性は重要な項目ですが、自身の強みや将来への投資を無視したソニーは短期的な利益を出すばかりで、徐々に手詰まりになっていきます。

 

その代表的な例が、テレビ事業とロボット事業です。

 

テレビ事業では、フラットなブラウン管テレビ「WEGA(ベガ)」の成功体験に捕らわれて、利益が出ているうちに先行開発を行わずブラウン管から液晶への時代の流れに完全に乗り遅れた結果、テレビ事業におけるリーダー企業というポジションから脱落しテレビ事業が慢性的な赤字体質になりました。

 

短期的な利益にだけ執着していた結果と言えます。

 

ロボット事業では、犬型ロボット「AIBO」や人型ロボット「QRIO」を商用化に成功していたものの収益性が悪いことを理由に2004年に撤退しました。それから約10年後、グーグルやソフトバンクがロボット事業に参入しており、ソニーも遅れて2016年にロボット事業に再参入しています。

 

旧経営陣の先見性の無さが浮き彫りになったと言えます。

 

ソニーの強みは、ものづくりで培った技術と自由闊達な製品開発力にあったと言えます。コアコンピタンスを欠いた経営戦略は結果的に間違いだったと言わざるを得ないです。

 

A縦割りの事業部制
ソニーの事業部制は当時先進的な組織体制と言われています。

 

この組織体制は意思決定を早めるなどの良い点もありますが、負の連鎖が始まっていたソニーにとってはうまく機能しなかったと言えます。

 

代表例がウォークマンです。99年ごろに発売された新型ウォークマンでしたが、ソニーの3つの部署からMDウォークマン、CDウォークマン、メモリーウォークマン、3つのウォークマンが発売されました。

 

これらの商品に互換性はなく、完全にそれぞれが独立して製品開発したもので、たまたま発売時期が被ったというものでした。

 

これは社内調整が取れていなかった結果で、ソニー製品同士でのお互いのシェアの奪い合いとなりました。

 

ソニーの失敗を例に、事業部制でも他部署間をまたぐマトリックス組織とするなど、リソースを共有するという視点が取り入れられるようになっています。

 

Bシナジーの無い多角化戦略
1995年に就任した出井社長の経営方針は、ものづくり企業からコンテンツ企業への変革でした。

 

その背景にあったのはAV機器をネットに繋げるという構想で、時代の先を見ていたことは今の時代が証明しています。

 

良く知られた話として、実際にソニーはアップルのIpodよりも先に、メモリーウォークマンというインターネットでダウンロードするタイプの音楽プレーヤーを発売していました。

 

ただ、グループ内に音楽のコンテンツ企業を抱えていたために著作権に過度に気を使って停滞していた結果、アップルに市場を独占されてしまいました。

 

同時期にCDやMDの最新ウォークマンを発売するなど、リソースの集中も上手くできていませんでした。

 

結果から言えば、ソニーは映画事業、音楽事業、ゲーム事業など単発の多角化に終始して、これらをコア事業のAV機器と上手く組み合わせてシナジーを出すことができませんでした。

総評

経営戦略の失敗というタイトルで紹介していますが、当時のソニーが持っていたリソースのすごさを改めて知る結果となりました。

 

それだけに、経営の責任は非常に重いと言えます。

 

世界最高の技術を持っていても、どんなに大きな企業でも、経営を間違えば簡単に崩壊するという事例です。

 

実際に、出井氏が壊したソニーでしたが、後任のストリンガー氏で完全崩壊したと言われています。

 

10年以上先を進んでいたロボット事業を続けていたらどうなっていたか、Ipodより先行したソニーの音楽プレーヤーはどんな進化をしたのか、思い巡らせてしまいます。

 

と言ってもソニーの失敗は取り返すことができないので、コアコンピタンスの重要性や事業部制の欠陥などを現代の経営に活かしていくことが重要だと思います。

 

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