大塚家具の経営戦略失敗の理由

もともと大塚家具は、高級家具を販売する会員制の店舗経営をしていました。

 

顧客一人一人に店員がつき、色々聞きながら商品を選べるという高級路線を徹底しており、これが高度経済成長の日本で、ちょっと背伸びをして高級家具を欲する層を取り込み大きく成長してきました。

 

ところが、2000年代に入り、ニトリ、イケアが高品質低価格の商品を扱う会社が台頭したことで、大塚家具の業績は伸び悩みます。

 

そして、リーマンショックをきっかけに、ニトリ、イケアに顧客を一気に奪われて以来、様々な施策を出しますが奏功せず業績低迷が続いています。

 

大塚家具の失敗した理由
・顧客ニーズの変化
・親子喧嘩によるブランド価値毀損
・コアコンピタンスを無視した経営方針転換

大塚家具の経営戦略分析

@顧客ニーズの変化
大塚家具は、店舗を会員制としてコンシェルジュを付けて、高級家具を販売していました。

 

これにより、大塚家具は高級家具の良さを顧客が新たに発見する手助けをして、ワンランク上の住環境を手に入れるサポートをしてきたのです。

 

これは、カスタマーソリューション型の素晴らしい経営戦略であったと評価できます。

 

しかし、2000年代に入り、顧客はニトリやイケアが売る高品質低価格の商品で満足するようになりました。

 

顧客ニーズは、「背伸びして高級家具を買いたい」から「安くても良いものを」に変わってしまっていたということに、気付かずに対策が後手に回ってしまったことが2000年代初頭の業績伸び悩みを生んでしまったと言えます。

 

過去の成功した戦略をなかなか変えられない事例という点では、典型的な事例とも言えます。

 

A親子喧嘩によるブランド価値毀損
父である大塚勝久氏と娘の大塚久美子氏の親子喧嘩はメディアでも報道されて大きな話題となりました。

 

やはり、これ自体がブランド価値毀損につながったと言えます。

 

大塚家具は上述してきたように、高級家具を販売する会社です。

 

顧客層が、そういった世間体を気にするセグメントであったということは、一般大衆を相手にするビジネスよりも影響が大きかったことは予想されます。

 

Bコアコンピタンスを無視した経営方針転換
娘の久美子氏が掲げた戦略は、「入りやすく、見やすい、気楽に入れる店作り」でした。

 

これは高級感のある店舗づくり、会員制、接客スタイル等、今まで蓄積してきたノウハウからの大きな転換であり、かつ顧客ターゲットもより低価格帯を狙った戦略でした。

 

コアコンピタンスを変えることなく戦略を組み立てるのが、経営戦略の定石でありながら、大塚家具はコアとなるノウハウや顧客層を捨てて、どちらかと言うとニトリやイケアの土俵に乗ろうとしてしまいました。

 

大塚家具のコアコンピタンスとは、少し背伸びして高級家具を買う顧客に満足してもらえるサービスを提供できることです。

 

それを活かすことを考えて、顧客セグメントを広げるにはどうすべきか、一人あたりの客単価を高めるにはどうすべきかと考えていく方が、経営戦略的には定石だったと言えます。

総評

大塚家具の失敗を簡単にまとめると以下ではないでしょうか。

 

顧客ニーズの変化に気付かず対応が遅れ


自身のコアコンピタンスを重視できなかった

 

コアコンピタンスを捨てることで成功する事例というのは無いわけではありませんが、やはり経営戦略という学問として定義していくには成功確率が高い必要があります。

 

そう考えると、やはりコアコンピタンスを捨ててしまう大塚家具の経営戦略は失敗するべくして失敗したと言えます。

 

近年では、貸し会議室運営で急成長中のTKPと業務提携しましたが、もはや大塚家具の本業である家具販売すら関係なくなっています。

 

もちろん、シナジーが出れば良いのですが、個人的には大塚家具のコアが何なのかもう一度初心に立ち返る必要があると考えます。

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